家のまわりや、身近な自然を観察してみましょう。(五十音順)

【アオキ】 日本原産の常緑樹である。民間薬として、生の葉を火であぶり、泥のようになった物を火傷やシモヤケの患部に貼って炎症をおさえ、膿を吸い出す効果があると言われている。葉を乾かし粉末にした物を、飯粒と練り合わせても使う。アオキの生葉と乾かしたスイカズラの茎葉とを、6グラム程を450ミリリットルの水で半量まで煎じ、脚気や浮腫に1日3回食間に飲む。下腹が張るような場合は、葉と果実を日陰干しした物を水300ミリリットルで半量まで煎じ、1日3回食間に飲むと効果があると言われている。
アオキ

【アカマツ】 マツは年中緑のままで、常盤木(ときわぎ)の代表とされ、昔から門松などお祝い事に使われてきた。樹幹に切り傷をつけて滲出物の生松脂(テレビンチナ)を採取して、古くから吸出し膏や軟膏、硬膏の基剤として用いられた。生松脂を水蒸気蒸留して得られる精油(テレピン油)は、皮膚を刺激する引赤剤としてリューマチ、神経痛などの患部に塗布する。

アカマツ
【アキカラマツ】 別名をタカトウグサと呼ばれている。これは、古くから高遠町地域で胃腸薬として用いられてきたことから、県内ではこの名で呼ばれることが多い。7〜8月頃に全草を採り日干しにする。これを、1日5g程度を水400mlで半量まで煎じ、食べすぎ・腹痛・下痢気味に1日3回に分けて服用する。全草の粉末を1回0.5gを水で飲んでも良い。

アキカラマツ

【アケビ】 果実が熟すると開くことから「開け実」「開け肉(み)」といわれ、アケビと名付けられたという。つる性の茎を輪切りにし、日干しにしたものを木通(もくつう)という。主として漢方処方薬で、木通散(もくつうさん)、五淋散(ごりんさん)などに用いられる。腎臓炎、尿道炎などのむくみには木通5〜15グラムを水400mlで水が半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用する。この煎汁でおできの患部を洗ってもよい。木通の黒焼きはかつて淋疾(ぼうこう炎)などに用いられた。また神経薬として1日10〜40グラムを水400mlで半量にまで煎じ、3回に分けて服用する。春先に若芽をひたし物や果実の皮を油で炒めたりして食べる。
アケビ
【アサガオ】 朝に咲くので朝顔と呼ばれる。平安時代に遣唐使がその種子を薬用に持ち帰ったといわれるが、花が美しいため観賞用として多くの改良品種が普及している。11月ごろ茎ごと抜き取り乾燥し、たたいて種子をとり、日干しにしたものを拳牛子(けんごし)という。便秘には緩下剤として、粉末を1回量0.2g、通常の下剤としては0.5〜1.0gを水100mlで飲む。強い下剤なので使用には注意が必要。虫さされには、生葉をよくもんで塩を加えたものを用いる。また、乾燥した茎葉20〜30gをひたひたの水で煮沸し、その汁でしもやけの患部を温湿布するとよく効くといわれる。
アサガオ

【アジサイ】 日本原産の「ガクアジサイ」が園芸品種として改良され、庭園などに栽植される落葉低木。民間では、盛りの花を採集して日干しにしたものを風邪薬(解熱薬)として1日3〜4グラムを煎じて服用する。また「おこり(瘧)・・かんけつ的に高熱を出す病気」にも煎じて用いることがある。
アジサイ
【アマチャ】 アマアジサイの変形したものといわれ高さは70pくらい。7〜8月頃、各枝先に青紫色の小さな花がたくさん咲き、その周囲に紅紫色や白色の花をつける。上水内郡信濃町柏原付近に多い。8〜9月の葉を半乾きにまで日干しし、水を噴霧しながら桶にかたく詰め一昼夜おくと発酵する。これをよくもんで日干しにすると甘みが出る。
アマチャ

【アロエ】 葉から得た液汁を乾燥した粉末を日本薬局方では、便秘症などに緩下剤として、1回量0.1〜0.25グラムを1日1〜3回服用する。妊娠時や月経時、腎炎、痔疾の場合などは注意する。民間ではキダチアロエ(木立アロエ)を緩下、苦味健胃薬として消化不良、慢性胃カタル、常習便秘などに生薬1日量40グラムを水400ミリリットルで半量になるまで煎じ、3回に分けて服用する。その他、生薬をすり下ろし、毎日杯1杯を飲めば前記の効能以外に喘息や咳に良いといわれている。生薬の液汁は軽い火傷や虫さされにも用いる。
アロエ
【アンズ】 以前は熟した果実の果肉を土中で腐らせてから硬い殻を割って種子をとり、杏仁(きょうにん)と名づけて薬用にした。現在は菓子、ジャムなどの原料にする干しアンズの副産物として種子をとる。古くから重要な漢方薬として用いられてきた。ぜんそく、咳、呼吸困難、むくみなどに1日量3〜6gを煎じて服用することもあるが単味ではほとんど用いられない。アミグダリンという青酸配糖体を含むので、素人の使用は避けた方がよい。
アンズ

【イカリソウ】 4〜5月ころ山野のやぶかげにいかり形の可憐な花をつける。地上部の茎葉を5〜6月ころ刈り採って日干しにしたものを使う。1日8〜10gを水400mlで200mlになるまで煎じ、3回に分けて服用する。全草のエキスは血圧を下げ、また苦みもあるので胃のくすりとしても用いられる。
イカリソウ
【イタドリ】 「痛み取り」から付けられた名前と言われている。戦時中にはタバコの代用にしていたと聞いている。県内のどこででも目につく植物である。秋から冬にかけて葉が枯れる頃、根を掘り取り日干しにした物を「虎杖根(コジョウコン)」と呼び緩下、利尿に使う。虎杖根を一日量として10g程を水400mlで半分の200mlまで煎じ、3回に分けて空腹時に飲む。便秘がちの人に効果があると言われる。民間療法としては、火傷に果実の煎汁を用いる。
イタドリ

【イチイ】 昔イチイで笏(しゃく)を作ったことから、位階の正一位や従一位にちなんで名付けられたという。 必要時に葉をとり、天日乾燥したものを一位葉(いちいよう)という。薬用には利尿や月経不順、糖尿病には、一位葉1日量10〜15グラムを水400ccで半量にまで煎じて、3回に分けて服用する。採りたての生葉でもよいという。果実は咳止めや下痢に用いる。ただし、イチイは心臓に毒のタキシンを含み連用すれば中毒になるので、使用には十分注意する。
イチイ
【イチジク】 イチジクは、長野市内でも家庭の庭に植えられており、一日に一果ずつ熟すから一熟果(イチジク)の名が付いたと言われている。9月頃成熟した果実を採取し乾燥したものを無花果(ムカカ)と言います。これの3〜4個を水400mlで半量までに煎じて1日量とし、緩下薬として3回に分けて服用する。毎日、果実を3〜4個食べても効果があると言われている。薬湯として、乾燥葉を1〜2枚程度を布袋に入れて使うと痔疾、神経痛に効果がある。生葉は、便所のウジ殺しにも用いた。
イチョウ

【イチョウ】 イチョウは中国音からきた名前といわれ、漢名を公孫樹ともいう。秋から初冬にかけての実を水につける、あるいは土中に埋め、果肉を(外種皮)を腐らせて除き、白い内種皮に包まれた種子を日干しにして薬用にする。これを銀杏または白果といい、鎮咳去痰薬として一回量、5〜10グラムを煮てその汁とともに食べるか、同量のものを焼いて食べてもよい。また夜尿症に用いられ、就寝前に子供の年と同数の銀杏(6個くらいが限度)を煮るか焼いて食べさせると効くという。しかし、食べ過ぎないよう注意が必要。
イチョウ
【ウイキョウ】 ウイキョウ(生薬名は茴香)は、明治の初めに渡来したヨーロッパを原産とする多年草である。本県では三水村(飯綱町)で盛んに栽培され、ソース用の香辛料として使われた。全草に特有の芳香があり、ピリリとした味を持つ。カメムシが好んで付く。果実が熟す前に採り、日干しにした果実を芳香性健胃薬として健胃薬に配合する。漢方薬では、神経性胃炎、慢性胃炎、胃アトニーの安中散(アンチュウサン)の主薬である。単独で用いる場合は、芳香性健胃薬、駆風薬(ガスの出を良くする)、去痰薬に、果実の粉末を1日量として0.5g〜3gを水で数回に分けて服用する。
ウイキョウ

【ウコギ】 東アジアの山地に自生する落葉低木。 県内でも山地や低地にみられる。枝にとげがあり、高さは2メートル位になり、根元から数本の幹が出て、葉は5枚掌状に開いて長い柄がある。初夏に淡黄緑色の小花が傘状につく。県内ではオコギ、オコゲというところもある。春の発芽前に根を掘り、その皮をはいで乾燥させたものを五加皮(ゴカヒ)といい、民間では強壮や鎮痛(腹痛)に煎じて服用する。中国では不老長寿の薬として五加酒の原料とする。また、食用として若芽を刻んで炊き込んだウコギ飯や、茹でておひたし、あえものなどにする。
ウコギ
【ウツボグサ】 日当たりのよい野原に自生する多年草。6〜7月頃長さ3〜8センチの花穂をつけ紫色の唇形花をつける。盛夏には花穂が暗紫色に変わり枯れた感じになるので夏枯草(カゴソウ)といわれる。花穂が褐色になりかけた頃採取し日干しにして煎じ、利尿消炎、口内炎、扁桃炎等に服用する。
ウツボグサ

【ウド】 ウドは春から初夏にかけての代表的な山菜である。ウドに良く似た野草で「シシウド」があるが、全く別の植物である。ウドは、春の芽が出る前か秋の葉が枯れる頃に根を掘り取り、適当な大きさに切り水に一晩浸した後、日陰干した物を「独活」と言い使用する。1日量として5〜10グラムを水400ミリリットルで半量まで煎じ、強壮、中風、リウマチ、神経痛に1日3回服用する。漢方薬には化膿性皮膚疾患、蕁麻疹、急性湿疹、水虫などに用いる十味敗毒湯がある。
ウド
【オオバコ】 オオバコは何処でも見られる植物で、子供の頃に茎で「引っ張りっこ」の遊びなどをした人は多いと思う。全草を車前草(シャゼンソウ)種子を車前子(シャゼンシ)と言う。漢方薬や民間薬で広く用いられている。
車前草は、全草を花の時期に採取し日干しにしたものを言い、車前子は秋に地上部を日干しした後に集めた種子を言う。鎮咳去痰、消炎利尿薬として用いられる。生葉を火にあぶり、腫れ物の吸出しに用いる。車前子の入った漢方薬としては、頻尿・排尿痛・残尿感には五淋散(ゴリンサン)、排尿痛・残尿感・尿の濁りには竜胆瀉肝湯(リュウタンシャカントウ)、下肢痛・腰痛・排尿困難・むくみには牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)がある。
オオバコ

【オダマキ】 広く観賞用に栽培されている。花の形が苧手巻(おだまき:アサの苧など繊維の糸をを巻いて玉にしたもの)に似ていることから名付けられた。根は秋に掘り水洗いし、陰干しする。腹痛、熱性下痢に1日量5gを水400mlで半量にまで煎じ、3回に分けて服用するとよい。現在は日本ではあまり薬用として用いられていない。
オダマキ
【オトギリソウ】 県内各地の日当たりの良い山野、草原等に自生している多年草。昔ある鷹匠が、鷹の傷薬として秘密に利用していたが、弟が他人に漏らしてしまい、怒った兄は弟を切り殺したという伝説から、弟切草(オトギリソウ)と呼ばれる。その時の血しぶきが葉や花の黒い斑点となったと伝えられる。葉は対生し、透かしてみると黒い斑点が点在する。花は夏黄色の五弁花をつける。成分はタンニン等で、全草を日干ししたものを小連翹(ショウレンギョウ)といい、もみ汁や煎汁を切り傷や打撲傷に用いるが、ニワトリや小鳥には特効があるという。また、うがい薬や婦人の腰痛、リウマチ、痛風、神経痛、頭痛に煎汁を1日3回に分けて服用する。
オトギリソウ

【オニグルミ】 種子は、生薬名を胡桃仁(ことうにん)といい、脂肪油が多く含まれていて栄養価が高く滋養強壮として食べる。夏、果実が未熟なときに厚い外皮のすりおろし汁を、かゆみのある場所にすり込むと効果があると言われている。種子をすりつぶして和え物、そばたれに混ぜて食べると良い。核は、脳卒中後遺症の指の機能回復に使われる。殻は非常に硬いが、フライパンで焙った後では、くるみ割り器で簡単に割れる。
オニグルミ
【オミナエシ】 県内各地の日当たりの良い山野に自生する多年草。秋の七草として親しまれ、盆花としてもよく使われる。どこか淋しい風情が万葉以来「女郎花(オミナエシ)」の字を当てて愛されてきた。高さは1m内外で、夏から秋にかけて茎頂に黄色の粟粒のような花が群がって咲く。生薬名の「敗醤(はいしょう)」は、刈り採って乾燥させておくと、わずかに醤油の腐った匂いがするので名づけられたという。秋に根を掘り採り、洗って日干しにし煎じて、利尿、解毒、排膿、産後の腹痛や肥立ちに服用する。漢方では、消炎、排膿、駆お血(血の巡りが悪く、たまった古血をとる)等の処方に配合されている。
オミナエシ

【カキ】 カキは葉、実、ヘタが薬用になる。しゃっくり止めに1回にヘタ5〜8グラムを同量のヒネショウガと共に、水200〜300ccを半量になるまで煎じ、飲むとよく効くという。血圧降下には乾燥葉を1日約20グラム煎じて用いるか、急須に入れて熱湯を注ぎ15分ぐらいしてからお茶がわりに飲むとよい。カキ渋が民間では消炎、収れん作用があるので、霜焼け、痔の出血などに塗布薬とし、桶や器具の塗装、渋紙をつくるのに使われる。
カキ
【カタクリ】 5〜6月ころ葉が枯れたら球根を掘り採り、外皮を除き水洗いしてから石うすなどでつぶし、水を加えて木綿袋に入れ、こしたものを数回水洗いして乾かすと、白い上質の片栗粉が得られる。このでんぷんは良質で消化が良く(でんぷん粒を構成するアミロペクチンの膜がうすい)滋養強壮薬として用いられる。すり傷、おできなどの患部にふりかける外用撒布薬としたり、丸剤や錠剤の賦形薬としても使われる。
カタクリ

【カボチャ】 種子をとり乾燥したものを漢方では南瓜仁(なんがにん)といい、条虫駆除に用いる。種子の皮を除き水洗いし、日干しの後に粉末にしたものを1回量15グラムくらいを空腹時に適量の水で飲むか、種子を1回量30グラムをすりつぶし同様に用いる。種子を炒り中身を常時食べると母乳の出がよくなるといわれる。花や葉をもんで、その汁を虫刺されに用いる。ヘタの日干しにしたものを南瓜帯(なんがてい)といい、その粉末をゴマ油とねって湿疹に用いる。
カボチャ
【カラスビシャク】 生薬名は半夏(ハンゲ)という。昔は畑の畦に雑草のように生えていたが、最近は全く見なくなった。別名ヘソクリといわれる由来は、農家の人が畦に生えているこの草の球根を薬草として売って小遣いにしたからとも言われている。6〜7月頃に塊根を掘り取り、コルク層を除き日干しにして使う。半夏が処方されている漢方薬として、つわりに小半夏加茯苓湯、神経性胃に半夏厚朴湯、胃腸カタルに半夏瀉心湯、胃腸虚弱による下肢が冷えに半夏白朮天麻湯、このほか半夏が入った漢方薬には大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、小青竜湯、麦門冬湯などがある。
カラスビシャク

【キキョウ】 その端正な姿から愛され、秋の七草の一つとして知られる。栽培のものは3年目の秋(天然は夏〜秋)に根を掘り、ひげ根を除き荒く切って日干しにする。一般的に1日量4〜5gを煎じて飲むが単味では苦くて飲みにくい。去痰作用のあるサポニンは溶血作用もあり、連用するときは専門家の指導によるのがよい。
キキョウ
【ギシギシ】 別名を「ウマズイコ」という。秋の彼岸の頃に根を掘り取り、太根を日陰干しした物を「羊諦:ヨウテイ」という。緩下剤として1日量5〜10cを水400mlで半量まで煎じて、3回に分けて飲む。常習便秘には良いが、妊婦は流産の恐れがあり、用いないほうが良い。生根をすった汁は皮膚病に効くと言われる。
ギシギシ

【キツネノボタン】 キツネが住むような野に生え、夏に花茎が立つと黄色い花が咲き、金平糖のようなボタンに似た緑色の果実を結ぶことからこのような名前がついたという。全草に有毒な配糖体を含み、強い皮膚刺激(発泡性)があり、春にセリと間違えて食べると口内に灼熱感を起こし、胃腸の壁も刺激を受けて炎症し血便を出すので注意。民間療法では発泡性刺激作用を逆利用して、扁桃腺炎に葉を揉んで就寝前に手首の内側にはり朝の起床時に取り去り用いる。
キツネノボタン
【キハダ】 高さ20mにもなる高木。外皮をはぐと内皮が鮮やかな黄色であることからキハダ(黄肌)と呼ばれる。12〜13年以上の木を夏の土用前後に切り倒し、コルク層を除き乾燥したものを薬用にする。民間では下痢止め、苦味健胃、整腸剤として1日量3gを粉末のままか煎じて3回に分けて用いる。信州の百草の原料にも使われている。
キハダ

【キブシ】 早春に小さな黄色の花が、藤の花のように垂れ下がっている。夏から秋にかけて小枝を採り、葉ごと刻んで乾燥したものを、むくみに用いる。1日量として5〜8グラムを、水400ミリリットルで半分になるまで煎じ、空腹時に3回に分けて飲む。薬用の他、黒色の染料としても使った。
キブシ
【クズ】 多年生のつる性木本で、県内各地の「日当たりの良い土手などに大群生がみられる。秋の七草のひとつで、古くから漢方の要薬として用いられている。解熱、発汗、鎮痛作用がある。根から採るクズデンプンは昔からクズ湯として用いられ、体を温め口のかわきや下痢を止める作用がある。
クズ

【クマザサ】 秋から冬にかけ、古い葉のふちが枯れて白い隈どりができるので、クマザサ(隈笹)の名がつけられた。成分として含まれている葉緑素には、切り傷の回復を促す働きや、脱臭作用があるといわれる。荒れた胃の粘膜を治し、胃のもたれなどに隈笹葉を煎じて飲むか、新鮮な葉を1回量20〜30グラムとり、ミキサーなどで青汁にして飲んでもよい。また、この青汁でうがいをすると口臭によく、民間では湿疹、痔などに服用する。ササには古くから食品防腐作用があるといわれ、笹だんご、笹あめなどに使われたり、日本料理に用いられる。ガンに効く成分も含まれているといわれ、現在研究されている。
クズ
【クリ】 クリの葉にはタンニンがあり、収斂や消炎作用がある。タンニンが最も多くなる真夏に採取した葉を日干しにしたものを、ウルシカブレやアセモなどに使うとある。一握り程度の葉を水500mlで煮出し冷やして、これで患部を洗う。クリはでんぷんが豊富であるばかりでなく、タンパク質やビタミン類も多く含む。小布施町のクリを使った名産品は有名である。甘栗は、中国産のシナグリを使う。
クロモジ

【クロモジ】 緑色の樹皮に黒い斑点があることから、これを文字に見立てクロモジ(黒文字)という。昔からその材はつまようじに使われている。民間では、かっけや急性胃腸炎に、日陰干しした根皮を3〜5g煎じて用いる。またその粉末は止血剤として患部に散布する。枝葉を布袋に入れ浴湯料とすると体が温まる。
クロモジ
【ケイトウ】 開花の最盛期に花穂(鶏冠花)を切り採り日干しにする。痔の出血、長い月経や白帯下には、1日量8〜10gを水400mlで半量くらいまで煎じ、3回に分けて空腹時に服用する。下痢には、花をよくほぐし細かにしたもの5gくらいを、そのまま空腹時に水で服用する。痔や凍傷には、花の煎汁で幹部を洗う。
ケイトウ

【ゲンノショウコ】 名前の由来は、現に効く証拠があるので「現の証拠」、たちまち効くので「たちまちぐさ」「いしゃいらず」などが。夏の花の盛り頃か開花直前に全草を刈り取り、葉が落ちないように風通しのよいところで乾燥させる。胃弱、便秘には煎汁を冷やして飲む。しぶり腹、冷え症、アセモ、タダレには浴湯料とする。
ゲンノショウコ
【コブシ】 春早く葉の出る前に香気のある白色六弁花が小枝の先に開く。つぼみが子供の拳(コブシ)に似ているところから名づけられた。開花直前につぼみを摘み取って日陰につるして風乾したものを辛夷といい、頭痛、鼻づまりに1日量5〜10gを水300mlで半量になるまで煎じ3回に分けて食後服用する。
コブシ

【サクラ】 サクラは普通、ヤマザクラ系、ヒガンザクラ系、チョウジザクラ系の三系統に分けられるが、薬用には一般に山地に自生しているヤマザクラが主に使われる。6〜8月頃に樹皮をはがして日干しにする。鎮咳、腫れ物には樹皮1日量約4グラムを煎じて服用する。腫れ物には煎汁で患部を洗う。葉を塩漬けし、1年くらい保存すると配糖体が分解し、芳香のクマリンが徐々にできる。桜餅は桜の葉の芳香を賞味する代表的なお菓子である。
サクラ
【ザクロ】 梅雨の頃、黄赤色の美しい花が咲く。たくさんの種子があることから、中国では子孫繁栄を祈り、結婚式の酒宴に使われた。下痢、神経痛、咳止めには、 乾燥した果皮1回量2〜3gを水300mlで半量にまで煎じ服用する。扁桃炎、咽頭炎、口臭には実1個を水300mlで煎じ、この煎汁でうがいする。口内炎には、果皮5〜10gを200mlの水に入れ煮沸後、 冷ましてからうがいする。
ザクロ

【サフラン】 ヨーロッパ南部から西アジア原産の多年草。日本へは明治19年に球根が輸入され、全国で栽培されるようになった。8〜9月頃に球根(鱗茎)を植えつけると、濃緑色線形の葉が束になって生え、10〜11月頃に花茎が伸びて、地上5センチぐらいのところに淡紫色の花を開く。雄しべ(花柱)は濃赤色で3本に分かれている。なお、観賞用として栽培されている春咲きの「ハルサフラン」は薬用にはならない。雄しべに黄色色素のクロシン、芳香性物質のサフラナールを含み、花から抜き取って集め和紙に広げ35度C以下で火力乾燥するか陰干しにして鮮紅色に仕上げてから、色素が日光で変化しないように着色遮光瓶などで保存し使用する。婦人病の要薬で、鎮痛、鎮静、通経、強壮に1日量0.1〜0.3gを温湯で滲出し服用する。その他に食品や化粧品にも広く用いられている。
サフラン
【サンシュユ】 中国、朝鮮半島の原産で、江戸時代中期に薬用として渡来し、その後庭園の花木として各地で栽植されている落葉小高木。早春に木一面に美しい黄色の四弁小花を、葉に先立っていっぱいにつける。秋にはグミのような長円形で1.5〜2cmの果実が赤く熟し、渋くて甘酸っぱい味がする。熟した果実を熱湯に通して半乾きにし、種子を抜いて日干ししたものを生薬として煎じて服用する他、果実酒にして飲むと滋養強壮、糖尿、腰痛、疲労回復等に効果があり、「八味地黄丸」「牛車腎気丸」等の漢方方剤にも配合されている。
サンシュユ

【サンショウ】 枝や葉のつけ根にとげがついているのはイヌザンショウ。よく庭先などに植えられるとげのないものがアサクラサンショウで香りがよい。成熟した果実を摘み取り、果柄を除いた果皮と種子を薬用にする。食欲不振、消化不良などによく、回虫の運動マヒ作用があるので、回虫駆除薬としてサントニンや海人草と一緒に用いた。
サンショウ
【シソ】 葉は、6〜9月にかけて採取し、半日くらい日干しにした後、風通しの良いところで陰干しにする。種子は10月頃、取り陰干しにする。効用は広く、興奮性発汗、鎮咳、鎮静、鎮痛、利尿などのほか、芳香性健胃、健脳、止血、去痰、痔、喘息、血液の循環促進などに応用する。健脳には、葉1日20グラムを水400mlで半量にまで煎じて服用する。吐血には紫蘇葉4グラムに黒豆50グラムを混ぜ、煎じて服用する。健胃、脚気、痔、喘息には葉をお茶がわりに常用する。

【シャクナゲ】 本州北部、中部の深山に自生する常緑低木。高さは3mくらいまでなる。5、6月頃枝の頂上に淡紅色五裂の美しい花をつける。葉を日干しにして強壮、鎮痛、リウマチ、解熱、止血に煎じて服用する。また、頭痛、のぼせ、動脈硬化予防にも効果がある。なお、有毒物質を含んでいるので、過量使用には十分な注意が必要である。
【シャクヤク】 乾燥した根を利用する。腹痛、胃けいれん、頭痛、婦人病(冷え性、月経困難、補血、浄血)などには、1日量や3〜6gを煎じ、3回に分けて服用する。単味で用いるより漢方処方に配合して、利用する場合が多い。
芍薬

【スイセン】 水仙という名は、この植物が水辺の近くにあることと、水仙という中国からの名がそのままついたといわれている。腫れ物には生の鱗茎を金属以外のおろし器ですりおろし、布でしぼった汁に小麦粉を混ぜ、クリーム状に練って患部に貼る。肩こりにも同様に直接貼り、乾いたら取り替えるが、皮膚が赤く充血してきたら中止する。同じヒガンバナ科の植物に、ナツズイセンがある。春出た葉は夏には枯れ、8〜9月に花茎だけを50〜60cm伸ばして、その頂きに淡紅紫色で長さ10cmくらいの花を数個つける。この鱗茎を関節炎、腰痛に外用する。
水仙
【スギ】 雌雄同株で春に飛散する花粉は、時には山火事の煙のように風になびくこともある。今年の花粉予想では少ないようで、花粉症には朗報かもしれない。花粉症の原因として嫌われているが、赤褐色の樹脂で杉脂軟膏をつくり、紙や布に延ばして、絆創膏の代用にする。肩こりや五十肩、アカギレなどに杉脂を貼るか塗布する。腫れ物や火傷、シモヤケなどには、若芽のつぶし汁または煎液を塗る。むくみ、脚気、足の痛みには、葉の煎汁を服用する。筋肉痛、冷え症、リウマチなどには葉を浴湯料として用いる。
スギ

【スギナ】 スギナは別名ツクシ。地上部を掘り、水洗いして日干しにする。これを問荊という。利尿には問荊1日量5〜10グラムを水300mlで半量以下にまで煎じて服用する。解熱、鎮咳にも同様に煎じて服用する。
スギナ
【ズダヤクシュ】 山地の林間に生える多年草。茎や葉柄に繊毛がある。葉は心円形で浅く3〜5烈している。白い花のように見えるのはガク片でガクより長い糸状の花弁が あり、花外に舟のように飛び出しているのは雄しべである。薬用成分はよく分かっていないが、「ズダ」は、信州の方言でぜんそく(喘息)のことで「ヤクシュ」は薬になるという意味である。6月〜7月の開花期に全草を日干しにして煎じるか酒に浸して用いる。
ズダヤクシュ

【センキュウ】 高さ30〜60cm、葉は2回羽状複葉で枝先に複散花序を出し白色五弁の小花を多数つける。全草に特有な香がある。秋に葉の枯れる頃根を掘り干したものを煎じて服用する。婦人病の薬として古くから使われてきた他、鎮痛薬としても使われる。月経困難、鎮痛・鎮静等に1日3〜5グラムを水400ミリリットルで半量に煎じて3回に分けて飲む。川きゅうを処方した漢方薬には、川きゅう茶調散(センキュウチャチョウサン)、女神散(ニョシンサン)、猪苓湯合四物湯(チョレイトウゴウシモツトウ)、温経湯(ウンケイトウ)、温清飲(ウンセイイン)、防風通聖散(ボウフウツウショウサン)、柴胡清肝湯(サイコセイカントウ)など16種類ある。
センキュウ
【センニンソウ】 つる性で3m以上にも伸びる。夏に径3pくらいの白い花を多くつける。有毒で、この汁が皮膚につくと赤く水腫になる。民間では扁桃炎の治療に用いる。葉を一枚摘んで軽くもみ、手首の内側指三本ぐらい下の真ん中のくぼみに貼りつけ、15〜30分後にはぎ取る。赤く水腫を生ずるが、そのころから扁桃炎の症状が軽くなるという。水腫は消毒した針で浸出液を出し、手当する。
センニンソウ

【ソバ】 やせ地にも良く育つ栽培1年草。5月中旬に種子をまいて7月20日頃収穫する夏ソバと、8月10日ころ種子をまいて10月中旬頃収穫する秋ソバがあるが、秋ソバの方が香気が高い。ソバは毛細血管を丈夫にするルチンを含む食品として愛用されている。葉はルチン抽出の原料として利用される。打ち身には、そば粉を酒でといて塗る。腫れ物には、そば粉を食塩少量と水でこねて患部に貼る。茎葉を焼き灰から灰汁を作って髪や衣類、器物などの洗剤にする。これらのほか、そば粉は、そばがきや菓子などの原料に広く使われ、そば殻は枕の詰め物に使われる。
ソバ
【ダイオウ】 大黄(ダイオウ)はタデ科の多年草草本(そうほん)で、高さが2〜3mになり根茎は太く肉質で、断面は黄色い色をしています。秋に掘り起こした根茎を乾燥し、日本でも古くから下剤として用いられてきましたが、成分には下痢を止めるタンニン類も含まれているため、長期連用しても病的な下痢症状が起きにくいのが特徴です。漢方では重要な生薬であり、中国産のものが日本やヨーロッパに伝えられてきました。それぞれ採取調整された地域により、錦紋大黄(キンモンダイオウ)、唐大黄(トウダイオウ)、信州大黄(シンシュウダイオウ)などの生薬名があります。
ダイコン

【ダイコン】 種子を薬用名で莱服子(らいふくし)と呼ぶ。鎮咳にダイコンのおろし汁を茶碗3分の1ほどに、おろしショウガを少量入れて、湯を注いで飲む。神経痛、冷え症、糖尿病で体がかゆいときは干葉湯に入れる。声がれ、喘息、風邪、頭痛などには、おろしの絞り汁に蜂蜜を入れて飲む。健胃、食欲増進にはおろしを食べると良い。春の七草のスズシロはダイコンのことである。
ダイコン
【タマネギ】 西南アジアが原産で、明治初期に日本へ渡来したと言われている。生汁は抗菌、利尿、去痰、健胃、消化促進、血圧を下げる作用があり、発汗、不眠症には生のまま食べる。火傷、毒虫さされには、タマネギのおろしたしぼり汁を患部に塗る。混植するとキャベツ、トマト、レタスを害虫から遠ざける効果もある。タマネギの独特の臭いは製油成分の硫化アリルである。
タマネギ

【タンポポ】 花穂がタンポ(綿を丸めたもの)に似ていることから名付けられたという。開花前または開花時に根をつけた全草を採取し、水洗いして日干しにする。苦味健胃には、根で1日量5〜10g、全草で1日量20gを水200mlで煎じ食前に服用する。肝臓病、貧血症には、全草1日量10gを煎用する。なお、食用としてもあくぬきをし、三杯酢やおひたし、油いため、てんぷらなどに使用する。
タンポポ
【ツバキ】 日本の代表的な花木で、日本海側の豪雪地帯はユキツバキで、その他はヤブツバキとみられるが園芸品種が多く、三百種以上も知られている。半開きの花を採り、陰干しにする。止血には、1日量4グラムくらいを水300mlで半量にまで煎じ、3回に分けて食前に服用する。火傷は、花の粉末をごま油か、つばき油で練ってつける。滋養強壮は、花の粉末2〜3グラムに熱湯を注ぎ、砂糖を適量加えて飲む。種子からつばき油を採り、オリーブ油の代用にし、食用や化粧料にする。葉を細かく砕いてトイレに入れると、蛆虫の発生防止や臭気止めに有効といわれている。
ツバキ

【ツユクサ】 ツユクサは鮮青色の花を早期に開き、午後にはしぼむ。古い時代にはツキクサと呼ばれていたが、それはこの花弁の汁を布にこすりつけて染めるという「着草」(ツキクサ)の意味からであったという。利用法は開花期に全草を採り、水洗いして日干しにする。解熱には乾燥した全草を1回量4〜6グラムを水300mlで煎じて服用する。1日3回を限度とする。下痢止めには乾燥全草10グラムを水400mlで300mlにまで煎じ、3回に分けて服用する。
ツユクサ
【ツワブキ】 北日本を除く全国各地に自生する多年草。長野県内でも観賞用として植栽されている。若い葉は灰褐色の密毛で覆われているが、後にはほとんど無毛となる。葉は腎心形で光沢があり肉厚である。10〜11月頃花茎を出し、黄色の頭状花をつける。根を10月頃掘り採り、水洗い後に刻んで日干しにして健胃、下痢止めに煎じて服用する。葉をもんで打ち身、腫れ物、切り傷に用いる。葉柄は昔から「フキ」と同様に食用に供される。
ツワブキ

【テッセン】 中国原産で観賞用に栽培されるつる性の多年草。6〜7月頃葉脈腋から長い柄を出し、径6〜8センチの無花弁の紫色花をつける。クレマチスは同属のつる性植物。秋に根茎を掘り取り水洗い後に日干し乾燥した生薬を利尿、整腸、通風に使用する。長期連用は禁物である。
テッセン
【トクサ】 6〜7月ころ茎を根本から刈り取り、熱湯に浸したあと日干しにする。下痢、痔の出血、月経過多、腎臓病のむくみなどには1日量10〜20gを水400mlで半量にまで煎じ服用する。解熱には1回量3〜5gを水300mlで半量にまで煎じて服用する。湯通ししたトクサは、歯石の除去、爪の整形、イボやタコの削除などにも利用される。
トクサ

【ドクダミ】 別名:ドクダメ、ドクダンベ。初夏に小型の両性花が密生して下から上へ順次咲く。5〜6月の花期に全草を採り陰干しする。利尿、便通、高血圧予防には、1日量10〜15gを煎じてお茶がわりに飲む。腫れ物には、生の葉をとろ火であぶって貼ると膿を出して腫れがひく。
ドクダミ
【トチノキ】 日本全土の山地に自生する落葉高木。日本特産で長野県内でも各地に広くみられる。庭木や街路樹としても植栽されている。春に葉の若芽の粘液をそのまま寄生性皮膚病(タムシなど)に利用する。樹皮は夏に、種子は秋に採って下痢止めや子宮出血、痔の出血に煎用するほか、ニキビには煎汁をつける。打ち身や凍傷には種子の乾燥したものを粉末にして水で練り、患部に塗る。切り傷や虫さされには生の葉を揉んでつける。種子はトチ餅として食用にもされる。
トチノキ

【ナツメ】 薬用には実を使用する。実が黄色の内に採り、蒸して日陰干しにした物を大棗(たいそう)と言い使う。1日量3〜5グラムを水300ミリリットルで煎じて服用すると、鎮静・強壮薬として、又、いらいらして寝つきが悪い人、糖尿病、神経衰弱に効果がある。漢方薬には甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)があり、夜泣き、ひきつけに利用される。滋養・強壮に大棗酒(45度の焼酎1.8リットルに大棗300グラム、砂糖150グラムを入れて冷暗所に2ヶ月以上保存)を1日10ミリリットルを限度に寝る前に飲むと効果があると言われている。
ナツメ
【ナナカマド】 全国の山地に自生する落葉高木。 葉は長円形の小葉で、秋には美しく紅葉する。 5〜6月頃白色五弁花を枝先に多数開き、10〜11月に赤い球形の果実が熟して垂れ下がる。 樹皮の煎汁を下痢、痔、排尿困難に服用し、果実は煎じてうがいや薬用酒に用いる。 かまどに7度入れてもまだ焼け残ることから「ナナカマド」の名がついたと一般に言われているが、 極上堅炭をつくる工程が7日間要するためという説もある。
ナナカマド

【菜の花】 アブラナ科の花を総称して菜の花と呼んでいます。菜の花は比較的カロチンが含まれている緑黄色野菜です。民間では、菜の花の葉やヘタの生や日干ししたものを煎じてその汁を消炎、解熱、止血、腫れ物に使用します。また、全草を黒焼きにしてすりつぶして口内炎に使います。
菜の花
【ナンテン】 12月ころ果実を採り日干しにする。赤い実も白い実も薬効は同じ。鎮咳には、果実1日量5〜10gを水500mlで半量にまで煎じ3回に分けて服用する。赤飯の上にナンテンの葉を乗せる風習があるが、これはナンテンの葉の成分が赤飯の腐敗を防ぐため、食中毒の心配がないということを意味している。
ナンテン

【ニラ】 ニラはノビル、ネギ、ニンニク、ラッキョウなどと同属の植物で、中国ではこれらを葷(くん)と呼んでいる。葷類はいずれも強い臭気があり、食べると精力がつく。茎葉を随時刈り採って、みそ汁やみそあえ、ニラがゆ、卵とじにして食べることは、下痢止め、強壮、強精、整腸、冷え症などに有効。種子は秋に花が終わった後、自然落下の前に採取して日干しにする。腰痛や小便回数の多いのには、種子1回量30〜40粒を砕いて水で服用する。
ニラ
【ニンニク】 原産地は西アジアと言われているが、世界各地で栽培され広く料理に使われている多年草の植物である。成分はアリインで、ニンニク特有の臭いは油状物アリインである。ニンニク酒は、健胃、整腸、疲労回復に効果がある。作り方は、外皮を剥いだニンニク250gを砂糖250gと焼酎720mlに漬けて作る。この時、ニンニクは2〜3片に切っておく。2〜3ヶ月経ったものは、冷え症に寝る前に30mlぐらい飲むと良い。手足をくじいた時は、おろしがねでおろし、小麦粉で練って患部に貼る。ニンニクとショウガをすり合わせ、お湯で飲むと暑さ負けに効果がある。この他、風邪を引いた時に焼いて食べるなどいろいろ利用法は多い。
ニンニク

【ノビル】 春から初夏にかけて、地下の鱗茎を掘り採って生のまま利用。扁桃炎や毒虫の刺されに、鱗茎をすりおろした汁を患部に塗る。腫れ物には、根の付いた全草を黒焼きにし、その粉末をごま油で練って患部にはる。また精力増進に、鱗茎300グラムを焼酎1.8リットルにつけ、1カ月ほど密閉した後、1日に約3杯ほど服用する。
ノビル
【ハコベ】 畑や道ばたに自生し、日本全土に分布する2年草。春の七草の1つで、著しく分枝して枝先に白色の小花をつける。茎葉をこじんまりと広げることから、葉配りが変じてハコベになったという。春から夏に全草を採り日干して、利尿、浄血、採乳薬として煎じて服用するほか、歯痛、打撲傷、腫れ物などに外用する。また、虫垂炎、胃腸炎、浮腫にも用いられ、歯ぐきの出血や歯槽膿漏の予防にも用いられる。
ハコベ

【ハス】 県内でもレンコン採取の目的で栽培されたり、観賞用に植えられたりしている多年草。夏に葉を葉身の頸部で切り取り、折りたたんだり巻いたりして、日干しにしたものを荷葉といい薬用にする。解熱、下痢止め、腹痛に1日量10〜15グラムを水300mlで半量にまで煎じ、3回に分けて服用する。種子を利用する場合は、秋遅く花托に含まれている果実をとり出し、皮をとり除き、種子だけを煎じて陰干しにしたものを蓮肉、または蓮子といい薬用にする。滋養強壮や下痢に15〜20粒ぐらいフライパンで炒って3回に分けて食べると効果がある。
ハス
【ヒガンバナ】 地下の鱗茎を生のまま利用するため、必要なときに掘り採り、水洗いして外皮と根を除く。毒性があるので、家庭療法ではもっぱら次のように外用に使う。肩こりや急性腎炎のむくみ取りには、鱗茎を生のまますりおろし、就寝前に両足の土ふまずに貼り、軽く包帯で押さえておく。乳房炎、乳腺炎の初期には、消炎の目的で冷湿布する。地方によってはシタマガリともいうが、これは食べて中毒になった症状"舌が麻痺して曲がって硬直し、ものが言えなくなる"からでた呼び名である。
ヒガンバナ

【ヒマワリ】 北米原産で、日本には寛文年間に渡来し全国に広まった。花が太陽と共に回転するということからヒマワリの名があるが、花が咲き切ると回転運動は停止する。8〜11月頃に種子と葉、花を採取し、日干しにする。解毒剤として風邪には葉1日量5gを水300mlで半量にまで煎じて3回に分けて服用する。動脈硬化予防に毎日ひとつまみの種子を炒って食べると効果があるという。花をチンキ剤として用いると味が良いので、小児の風邪に効果的であるとされる。
ヒマワリ
【ビワ】 ビワは明治以前には、観賞用や薬用にされていた。生長葉を5月から6月ごろ、又は11月から12月ごろ採取して、よく日陰干ししたものを7〜8ヵ月後に利用する。1日量として5〜10gを300mlの水で半量までに煎じて、暑気あたり、鎮咳、胃腸薬として3回に分けて飲む。夏の下痢には、1日量として10〜20gを300mlの水で3分の1量まで煎じて、3回に分けて飲むと良い。生葉を焼酎に2〜3週間浸した後、濾した焼酎を脱脂綿に浸して、打ち身や捻挫に使う。江戸時代には、枇杷湯を夏の暑気あたりの飲み物として使っていたとある。
ヒマワリ

【フキノトウ】 フキノトウをつぼみの時に採り陰干しにする。鎮咳、去痰には1日量約10gを水300mlで煎じ3回に分けて服用するか、味噌煮にして食べる。特に薄い痰がたくさん出るときや、妊婦の咳に効果がある。食用としては、フキノトウを熱湯に浸した後、味噌と一緒につぶした「フキみそ」にしたり、天ぷらや煮物などにするのが、カルシウムを含んでいるので体に良い。ただし、アレルギー症状を起こしやすい人もいるので注意。
フキ
【フクジュソウ】 全草に強心配糖体のシマリン、アドニンなどが含まれ、特に根に多い。したがって血圧を上昇させ、心臓の働きを盛んにするが、量が多すぎると心臓マヒを起こして死にいたる。根から成分を抽出し、チンキ剤、浸剤として強心、利尿薬に利用する方法もあるが、量を誤れば中毒をおこすので、素人が用いてはならない。
フクジュソウ

【フジ】 万葉の昔から、その美しい花が和歌や俳句によく詠まれており「くたびれて宿かるころや藤の花」(芭蕉)は有名。薬用には藤瘤を利用する。必要時に採り、水洗い後日干しにして保管する。口内炎、歯肉炎、扁桃腺に、1日3〜5gを水300mlで3分の1量まで煎じ、この煎液でうがいするとよい。粉末にしたものを脇につけると防臭になる。下痢には種子を利用する。8月頃さやごと採り、日干しにしてから集め、1日1〜3gを水200mlで半量まで煎じ3回に分けて服用する。
フジ
【フジバカマ】 夏から秋にかけて茎頂に淡紅紫色の小花をたくさん咲かせる。花の色が藤色のためこの名がある。秋の七草の一つとしてもよく知られている。つぼみをつけたものを日干しにし香気が逃げないよう貯蔵する。刻んで袋に入れ風呂に入れて入浴すると、皮膚のかゆみに効果がある。
フジバカマ

【ブドウ】 アジア西北部地方が原産地で、シルクロードを経て日本に渡来し各地で栽培されているつる性落葉低木。若い枝には毛があり、成長するに従い木質化していく。秋には甘い汁液に富んだ果実が房状に垂れ下がる。果汁に転化糖、酒石酸カルシウム、蓚酸、ペクチン、イノシット。果皮にはタンニン、ペンドザン等を含み、ぶどう酒の製造原料である。ブドウ酒を1日10〜20グラムを飲用すると、食欲減退、低血圧、不眠症、冷え性などに効果がある。また、渋みの強い赤ブドウ酒は下痢症に効果が期待できる。
ブドウ
【ペパーミント】 ミントは約30種類あるが、いずれも清涼感のある香り がする。ほとんど根茎で繁殖する。葉は先がとがって鋸歯縁(のこぎりの歯のようにギザギザした形)を持ち、対生。強壮、消化促進、鎮痛、発汗、殺菌作用などがある。浸出油は肩こり、筋肉痛のマッサージに利用する。

【ホウノキ】 県下各地の山地に見られる樹木のうちで、最も大きい葉と花をつける落葉高木。細い枝でも指の太さほどあり、その枝の先に7〜8枚の大きな葉が輪生状に付き6月頃に花径15センチ程の白色で芳香のある花を枝頂上に向けて咲かせる。古くは「ホウカシワ」と言われ、カシワとは食物を盛る意味である。今日でも木曽地方ではこの葉で包んだホウ葉餅がつくられているほか、ホウ葉味噌も知られている。夏の土用の頃に幹と皮を剥ぎ、日干しにしたものを「厚朴」といい、胃腸薬として腹痛、吐き気、下痢、利尿に煎じて服用する。漢方の処方にも利用され、咳やつわり、神経性胃炎に用いる「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」や、便秘に用いる「小承気湯(しょうじょうきとう)」等が有名である。成熟した果実は乾燥して煎じて解熱に服用する他、葉は夏に採取日干しにして酢で練り患部に塗布するとリューマチに効く。
ホウノキ
【ホオズキ】 名前の由来は、ホオと呼ばれるカメムシが好んで付くから、この名が生まれたという説と、全草にに苦味があるので「ニガツキ」から転じたという説がある。地下部も含めた茎葉を7〜8月頃採取し、水洗いした後、日干しにしたものを薬用にする。鎮咳、解熱、利尿に1日量3〜10グラムを水200mlで約半量にまで煎じ、3回に分けて服用する。しかし、妊婦には流産の危険性もあるので使用しない方がよいという。また、果実を赤くなる前に採って黒焼きにし、蜂蜜で練って1日3歳児で0.3グラム(1歳増す毎に0.1グラムづつ増やす)服用すると百日咳に効がある。
ホオズキ

【ボケ】 中国原産で、日本にも早く渡来し庭木として各地に分布している落葉低木。長野県内でも観賞用として広くみられる。高さ2m内外で枝にとげがあり、4月〜5月頃葉に先立って径2cmほどの花が数個集まって咲く。花の色は基本の色が温色漂う淡紅色で、これを唐ボケといい、白がシロボケ、緋色がヒボケなどと種類が多い。完熟した果実を輪切りにし、日干しにしたものを煎じて服用すれば、暑気あたりによる筋肉のけいれんに効果がある。また、完熟前の果実を薄切りにし、砂糖と焼酎で漬け、半年後から1回20mlを1日2〜3回飲むと疲労回復によい。
ボケ
【ボタン】 中国原産で平安のころ日本に渡来したといわれている。4〜6年目の根を掘り採り、木芯を取り去り皮だけを日干しにする。月経不順、便秘、鼻血、痔疾などの治療に1日量5〜10グラムを水300mlで約半量になるまで煎じ、3回に分けて服用する。一般に牡丹皮は、単独で用いるより漢方処方の中で用いられることが多く、慢性盲腸炎、常習便秘などの大黄牡丹皮湯や月経不順、更年期障害などの温経湯などがある。
ボタン

【ミョウガ】 若芽は芳香と辛味があり薬味として使われる。薬用には、地下部を水洗い後細かく刻んで日陰干ししたものを使う。1日量約10gを水200ミリリットルで半量にまで煎じ、3回に分けて腎臓病や生理不順に飲む。一方、しもやけ、凍傷のかゆみには、20〜30gを水500ミリリットルで半分量まで煎じた液で洗うと効果があると言われている。日陰干しした葉を布袋に入れ、浴湯料として痔や婦人の冷えからくる痛みに効く。この場合の1回量は日陰干し葉約300グラムである。根茎を生で食べると消化促進効果がある。
【モクレン】 暗紫色の花が咲く植物を「モクレン」と言い、白い花が咲く方を「ハクモクレン」と言い「モクレン」と区別している。薬用には「モクレン」のつぼみを使う。春に開花直前のつぼみを採取して、風通しのよい日陰で十分乾燥したものを辛夷(しんい)と言う。コブシの蕾を乾燥したものも辛夷と言う。蓄膿症、鼻炎、鼻づまり、頭痛、めまいに、1日量4gを水200mlで半量まで煎じたものを、1日3回に分けて服用する。風邪、頭痛に樹皮を煎じたり、解熱、鎮咳に実または根を煎じても良い。辛夷の入った漢方薬には、蓄膿症や慢性鼻炎に用いられる葛根湯加川きゅう辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)や辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)がある。

【モモ】 モモは、弥生時代の遺跡から発見されているから、すでにこの時代からと食べられていたと思われる。薬草として利用するのは、殻の中の種子の部分である。この種子を日干ししたものを桃核仁と言う。産前産後、血の道や月経不順に1日3〜5gを300mlの水で半量まで煎じて3回に分けて飲む。半開きの花のつぼみを日干ししたものを、緩下剤として1回量2〜3gを200mlの水で半量まで煎じて飲む。浴湯料として、新鮮な葉500g程度を布袋に入れて良く煮出し、アセモや湿疹に風呂に入れても使う。
【モロコシ】 400年程前、ポルトガルの宣教師が長崎に種子を持ってきたといわれ、全国で栽培されている。長野県は北海道につぐ産地となっている。トウモロコシの収穫時に毛を採り、日干しにする。利尿薬として、急性腎炎、妊娠時のむくみに、1日量8〜10グラムを煎用する。果実は栄養的にもすぐれ、またリノール酸含んでいるので、血圧降下や高血圧の予防にも効果がある。

【ユキノシタ】 池の水端や井戸のふちに多く生育することからイケノシタが変化してこの名がついたといわれる。5〜8月に採取し、水洗いの後 、干したものを薬用にする。心臓病や腎臓病、健胃、解熱、鎮咳に1日量5〜15gを水400mlで半量にまで煎じ3回に分けて服用する。消炎、切り傷、火傷、しもやけ等には生の葉をもんで貼るか、汁を 患部に塗布する。また新葉のてんぷらは美味である。
ユキノシタ
【ラベンダー】 種類は非常に多く、原種だけでも二十数種類あるが、どれもまっすぐ伸びた茎の先のほうに、小さな花を穂状に咲かせる。鎮静、鎮痛、駆風、防腐作用がある。ハーブバスはリラックス効果があり、肌を若返らる。また、お茶には安眠とリラックス効果がある。
ラベンダー

【レンギョウ】 晩夏の頃、果実が茶褐色になったら採って、日干しにし硬くなった物を連翹(レンギョウ)と言い薬用に使う。消炎・解毒・排濃・利尿などに、1日量として3〜5グラムを水200ミリリットルで半量に煎じ、3回程度に分けて飲む。緩下や利尿・高血圧の予防薬として、開花中に採った花を日干しにしたものを、1回3グラムを熱い湯を注いで飲む。レンギョウの入った漢方薬として、蓄膿症に荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)、にきびに清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)、湿疹・くさに治頭瘡一方(ヂズソウイッポウ)、高血圧の随伴症状ののぼせ、どうきに防風通聖散(ボウフウツウショウサン)がある。
レンギョウ
【ワラビ】 山菜の代表である。食用にしているのは若芽の部分である。食用にするのは日本人だけのようで、食用の歴史は古く、平安時代の記録に載っている。薬用には、若芽と根茎を使用する。若芽をあく抜きして、日干しにする。根茎は秋から冬にかけて掘り取り、洗った後日干しにして薬用にする。1日量10〜15gを水400mlで半分以下にまで煎じて3回に分けて飲む。この煎液は、蜂や毒虫に刺された時に塗っても効果があると言われている。採取して3年以上経った干し蕨の黒焼きに、酢を加えたものを湿布薬としてリウマチに効果がある。
ワラビ

一般社団法人 長野市薬剤師会 info@nagano-shiyaku.or.jp